東アジア文化交渉学会・第13回年次大会 世界的危機のいま渋沢栄一を考える
東アジア文化交渉学会第13回国際学術大会は、下記のテーマと日程で、開催されることが決定したのでご案内申し上げます。
いま世界はかつてないほどの分断の危機にさらされている。宗教問題・移民問題やブレグジット等が絡み合って欧州諸国の分断が続き、米中関係緊張による政治・経済の危機は深刻さを増している。各国内においても貧富の格差、人口減少、各種差別、自然災害などの問題が収まる気配はない。更に2020年のCovid-19の世界的流行は、問題の輪郭を明確にし、グローバル化やデジタル化といった21世紀の我々の歩みになにがしかの軌道修正をせまりながら、歴史の歯車を次の段階へと進めつつあるように見える。そして今ほど叡智を結集し、グローバルな思考と行動が必要とされている時はないのである。
日本資本主義の父と称される渋沢栄一(1840~1931)はその生涯に金融経済、産業育成、民間外交、社会福祉、教育事業、漢学普及などさまざまな分野に足跡を残したが、日本資本主義がその成功とともにさまざまな挫折を経験したように、渋沢への評価も一部の批判を免れない。だが、「論語と算盤」を標榜し常に公益を志向したその思考と行動は、欧米の近代社会を広く見渡しつつ、日本に根づいた東アジア文化に基礎を置く点において、近代東アジアの文化交渉と呼ぶにふさわしい内容を含む。また、世界が危機にあえぐ今こそあらためてその意義を問うべきものがあると考え、今大会のテーマとして掲げることとした。
会場校となる二松学舎大学は、2020年に創立143年を迎え、和漢古典研究に伝統を有し、その創設者三島中洲が渋沢と親交があり、渋沢が第三代舎長を勤めたことでも知られる。ただし、応募内容は渋沢栄一に限定せず、また近代以外の時代を排除するものではない。設立時から本学会が掲げる東西文化交渉を含む、幅広い見地からの東アジア文化交渉研究の応募を期待する。
今回の大会に、学者各位および若手研究者に振るってご参会いただけますよう、心より願っております。
年次大会テーマ
世界的危機のいま渋沢栄一を考える
分科会テーマ
1. 中国古典・儒教思想の現状と課題
2. 媒体としての漢字・詩文と東アジア政治外交
3. 金融・経済・貿易における文化交渉
4. 公衆衛生、伝染病、製薬と文化交渉
5. 業家の思想・行動
6. 教育における文化交渉
7. 芸術における文化交渉
8. 社会福祉事業における文化交渉
9. 地域文化と観光にみる文化交渉
10. その他東アジア文化交渉に関連する内容
会議日程
年 次 大 会 2021年 5月 8日(土)
応募日程と審査結果発表
会場校における基調講演と一部のパネルセッション、およびオンラインによるパネルセッション・個人発表、博士院生発表を予定しています。
参加及び発表を希望される方は別紙参加申請書と発表要旨(発表言語400字程度)を、2021年1月15日までにご提出ください。参加・発表の申し込みは大会準備委員会にて審査され、承認された方のみ正式な招請状を送付いたします。
参加申請書 Word (docx) 日本語、英語、中国語(簡体字)
参加費用
未定
参加・発表申請先:大会準備委員 ( sciea2021@outlook.com )
東アジア文化交渉学会第13回年次大会準備委員会
主 任 牧角悦子 (副会長 二松学舎大学、文学部長)
副主任 町泉寿郎 (評議員 二松学舎大学東アジア学術総合研究所日本漢学研究センター長)
李 運富(会長 鄭州大学特聘教授、長江学者、鄭州大学文学院長、鄭州大学漢字文明研究センター主任)
内田慶市(副会長 関西大学外国語学部 教授)
陶 徳民 (評議員 関西大学文学部 教授)
木村昌人(評議員 神田外語大学 研究員)
事務局
沈 国威(事務局長 関西大学外国語学部 教授)